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睡眠と健康2026-07-01

不眠の第一選択「CBT-I(認知行動療法)」入門

睡眠習慣を見直すノートと月を描いた落ち着いたイラスト

CBT-I とは

CBT-I(不眠の認知行動療法/Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia) は、睡眠を妨げている考え方や習慣を見直すことで不眠を改善する方法です。

慢性的な不眠に対して効果が高く、Trauer ら(2015)のメタ分析では、寝つきの時間・中途覚醒・睡眠効率などが有意に改善することが示されました。 米国内科学会(ACP)のガイドラインでも、成人の慢性不眠症の第一選択治療として CBT-I が推奨されています(Qaseem ら, 2016)。

「まず薬」ではなく「まず行動と考え方の見直し」が国際的な標準です。

CBT-I の主なテクニック

CBT-I は、いくつかの要素を組み合わせて行います。代表的なものを紹介します。

  • 刺激制御法:ベッドは「眠る場所」と脳に学習させる。眠れないときは一度ベッドを離れ、眠くなってから戻る。ベッドでスマホ・考えごとをしない。
  • 睡眠制限法:ベッドにいる時間を実際の睡眠時間に近づけ、細切れの睡眠をまとめて深くする(専門家の指導のもとで行う)。
  • 認知の再構成:「8時間眠らねば」「眠れないと明日は最悪だ」といった過度な不安を、現実的な考えに置き換える。
  • 睡眠衛生:カフェイン・光・寝室環境など、睡眠を支える生活習慣を整える。
  • リラクセーション:呼吸法や筋弛緩などで、就寝前の緊張をほぐす。

今日からできるセルフケア

  • 眠れないまま長くベッドにいない(一度離れて落ち着いてから戻る)
  • 起床時刻を一定にする(眠れた夜も、眠れなかった夜も)
  • 「眠れない」を責めず、休めているだけでも良しとする
  • 日中の光・運動・カフェイン管理など、土台を整える

まとめ

  • 慢性不眠の第一選択は CBT-I(薬より先に推奨される)
  • 刺激制御・睡眠制限・認知の見直しなどを組み合わせる
  • まずは「ベッド=眠る場所」と起床時刻の固定から

関連記事:「カフェインは寝る何時間前まで?」「眠りやすい寝室の作り方」もどうぞ。

※ 睡眠制限法などは専門家の指導が安全です。不眠が続く・つらい場合は医療機関にご相談ください。本記事は一般的な情報提供であり、医療上の診断・助言ではありません。

出典(原著論文)

  1. Trauer JM, et al. Cognitive Behavioral Therapy for Chronic Insomnia: A Systematic Review and Meta-analysis. Annals of Internal Medicine, 2015.
  2. Qaseem A, et al. Management of Chronic Insomnia Disorder in Adults: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. Annals of Internal Medicine, 2016.

※ 本記事は一般的な情報提供であり、医療上の診断・助言ではありません。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。